物語1
□ガーデンブルク
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ガーデンブルク女王は、冷めた目で二人をみていた。
所詮この男も、姫と離れてしまえば本性を晒すだろう。
男など皆同じ・・・。
同じ王族として、アリーナに教えてやろうと思っていたが、この男を使い、身を持って知らせてやるのもいいだろう。
女王は従者に命令した。
クリフトを誘惑しろ、と・・・。
縄で縛られたままのクリフトは、静かに祈りを捧げていた。
「どうか、姫様に神のご加護がありますように・・・。」
その時、アリーナとよく似た背格好の、女戦士が現われた。
「あなた、本当にあの姫様に一途なのね。従者の身分で、可愛そうに。」
「・・・。私は、むしろ幸せです。そう思える主に会えたこと、従者として。」
「へぇーっ。そうなんだあ。」
そう言いながら、女戦士はクリフトを舐めるように見た。
「従者にしとくには、もったいない位いい男ね。あなた、ここに残りなさいよ。ここにいれば、毎晩より取り見取りの女たちと・・・。」
「私は、そのようなことは望みません。」
「男なのに?」
「はい。」
「・・・わかった。あんた、あっちなのね!」
「あっちって、どっちですか!!」
いつしかクリフトと女戦士は打ち解け合い、話をし始めた。
「女王様は、本当に素敵な方よ。私たちを守るためにあんな風に強がってらっしゃるけど、本当は、すごく優しい方なの!」
「そうですか。」
「だから、私達も女王様をお守りするために、強くなりたいの!」
「お気持ち、とてもわかります。」
「あなた、男なのに話しやすいわね。本当にここに残れば?みんな喜ぶと思うわ。」
「私には、お守りしたい方がおりますので。」
「ふぅん。でも、あの人たち、帰ってこないかもしれないじゃない?」
「信じております。」
「・・・裏切られたら?」
「それでも、私は、姫様を信じます。」