物語1

□アリーナの望み
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「きっ、キス!?そ、そんな、私と姫様のお立場でそんなこと、許されません!」
「だったら、あんた達に主従関係がなかったらどうなの?」
「ぐっ!!そ、それでも、私と姫さまの関係は、そのような関係では・・・。」

「恋人同士じゃないっていうのね?でも、抱き合ったりはしてるんでしょ?」 「だっ!抱き合うというか・・・。支え合うと言うほうがちかいような・・・。」
「でも、その時のアリーナは、嫌がったりしてないんでしょ?」
「・・・・・。(そ、そういわれてみれば、私は自分の恥ずかしさでいっぱいで、アリーナ様がどうであったか・・。でも、『ありがとう』とは言われた気もする)」

「私が見てたときは、アリーナうれしそうだったわよ。」
「!!みっ、見てたんですか!?」
「何いってんの、あんた達、しょっちゅう二人の世界になってるじゃない。」
「・・・・・。(そ、そんな風に見られていたのか!気を付けていたつもりだったのに!!)」

「そういうのはね、男がリードしないとだめよ。あの子、鈍いんだから、少しくらい強引じゃないと!」
「は、はぁ・・・。はっ!いや!!でも、私は、自分の立場をわきまえてるつもりなのです!姫様は将来どこかの王族の方と結ばれる身。その時まで、姫様に傷ひとつつける訳にはまいりません!」

「ふぅん。じゃあ、心の傷はいいの?」
「!!」
「私から見たら、あんたは十分アリーナを気付けてると思うわよ。あんなにアリーナを構っておいて、アリーナに求められると急に引いたり。」
「・・・・・。」

「身に覚えがないとは、言わさないわよ。」
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