物語1
□初めてのキャンプ
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「・・・そう。クリフト、私についてきたこと、後悔してない?」
「姫様・・・。確かに、初めての実戦は戸惑いばかりでしたが、姫様についてきたことは後悔などしておりません。」
「・・・ほんとに?」
「はい。姫様は、お強いですが、とてもお一人になどできません。このような夜更けにに、こんなにもかわいらしい・・・ゴホゴホ。若い女性が1人で出歩くなど、もってのほかです。及ばずながらこのクリフト、命を懸けて姫様をお守りします。」
「そう・・・。良かった・・・。」
そして、アリーナは眠りについた。
クリフトは、起こさぬよう、そーっとテントへ運ぼう・・・と、するのだが・・・。
アリーナは、そのたびに目を覚まし、
「・・・もうちょっと・・・。」
クリフトも、もう少しだけこのまま・・・。
そうしている間に、夜が明け、たっぷり眠って元気を取り戻したブライが起きてきた。
「こっ、こぉら!!お前たち、何をしておるか!!」「ブ、ブライのいびきがうるさいからいけないのよ。」
「え、ええ、そうですとも。」
赤くなった顔をお互いに背けながら反論する。
「なっ!わ、わしはいびきなどかきませんぞっ!」
「もう、わかったわよ。朝からそんなに興奮したら疲れちゃってまた大いびきよ。さ、もう出発しましょ!」
「うぐぐっ・・・。」
「あ、それです。昨日のいびきは、そのようないびきでした。途中息がとまったりするので、もう心配で。」
「このたわけが!まだまだお前らをおいて死ねぬわい!たっぷり説教が必要なようじゃな!!」
「きゃーっ、逃げよう、クリフト!」「はい、姫様!」
笑いながら逃げる二人を、必死に追い掛けるブライ。
サランはもう、すぐそこだった。
おわり