物語1
□一緒にご飯がたべたい!
1ページ/8ページ
デスピサロを倒して、サントハイムのみんなも戻ってきてくれた。
本当に良かった!
旅の間、何度も何度も、願ったことが叶ったのだ。
もう、なにもいらないー。
そのはずでした。
まさか、私が、旅から帰って、こんなことで悩むなんて・・・。
ご飯が、食べられない・・・。
Side:アリーナ
いやっ、食べれるんだけど、いつも、どうやって食べてたんだっけ?
忙しいお父様も、今は、ご飯を一緒に食べてくれる。楽しく、今までの時間を埋めるように、お互いのことを話す貴重な時間。
私も、とっても幸せなんだけど、
なにか足りない・・・。
テーブルマナーなんかは、もう旅の途中もうるさく言われてたから忘れてないんだけど。
私、ついつい、隣に・・・。
隣にクリフトがいるのが当たり前で・・・。
クリフトがいないのに、ついつい、
このタイミングでパンをとってほしいなーとか、
この肉切りづらいからきってほしいなーとか、
このシチューおいしいからちょっとだけ分けてほしいなーとか、
今まで、口に出さなくても、クリフトが、
「姫様、パンをおとりしましょうか。」
「姫様、私が切って差し上げましょう。」
「姫様、これを召し上がってください。私はもう十分です。」
そういって、世話をやいてくれていたから、ひとりで全部しなきゃいけない(当たり前なんだけど)のが、どこかさみしい・・・。