物語1

□ミントスまで・・・
1ページ/7ページ


「・・・・・姫、様。」




私、クリフトに手を繋いでもらって、ブライにラリホーをしてもらったんだけど、

やっぱり、眠れない。

一瞬、眠ったんだけど・・・。耐性でも、できたのかしら。


ブライは、クリフトの隣のベッドで鼾をかいている。

だけど、私、気にしない。


「お願い、一緒に眠って。」



クリフトは、口元に手を当てて、
硬直していたけれど、
私、気にしない。


枕ごと、クリフトにしがみ付く。


「・・・お願い。」

「・・・・・はい。」



私は、自分でベッドに横たわる。
クリフトは、
「や、やはり、私はここで・・・」
床に足を着いて、私の手をとろうとしているのだけど


「抱きしめて欲しいの。」
「!!」


クリフトは、真っ赤になりながらも、

「・・・わかりました。」

そう言って、ぎこちなく私の側にきて、髪を、撫でてくれる。



ドキドキドキドキ。


クリフトの、心臓の音が、聞こえる。


私は、クリフトの胸に耳を寄せる。



クリフト・・・。



私、もう、ラリホーじゃ眠れない。

クリフトに、こんなふうに、抱き締めてもらわないと・・・


そして、それが、
家臣だからじゃなくて。


クリフトの、気持ちが、知りたい・・・



「クリフト・・・・・・」

「姫、様・・・・・」



私は、クリフトを見上げる。
クリフトは、私を見ながら・・・何も、言わない。



クリフト・・・。私、もう、無理なの。

お父様や、サントハイムの皆を探している間、
クリフトに、依存していないと、心が持たない。


こんなふうに、髪を撫でてもらったり、一緒に眠ってもらったり・・・


私、もう、一人じゃ眠れないの。
でも、誰でも言い訳じゃないの。


クリフト・・・
クリフトが、いいの。
お願い・・・。



ずっと、いつまでも、こうしていて・・・。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ