物語2
□「王妃の手紙」
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可愛いアリーナ
アリーナ。本当に、本当に、私のもとへ生まれてきてくれて、ありがとう。
私は、なかなか赤ちゃんが出来なかったから・・・
ずっと、自分を責めていたわ。
「王妃なのに、世継ぎを産めないなんて。」
だけど、あの人は・・・
お父様は、本当に素晴らしい方よ。
私が自分を責めるたび、
「そんなことは、思わなくていい。」
「苦労をかけて、済まない。」
「しかし、必ず子供が授かる。きっと大丈夫だ。」
そういって、私を励まし続けてくれた。
・・・強い人よね。お父様は、私の悲しみも背負いながら、力付けてくれた。
そして、やっとあなたが私達のもとにやってきてくれた・・・！
うれしかった！！本当に、本当に・・・！！
あなたはとっても元気で。可愛いくて、もう、本当に、こんなに幸せなことないと思っていたわ。
こんなに、自分の子供って可愛いのね。たまにやんちゃなこともするけど、それすら可愛い。何をしても、愛らしいわ。
だけど。
どうしてまた、私ばかりこんな目に合うのかしら・・・
いいえ、弱気になっちゃダメね。
お父様もずっと、励ましてくれているし。
私も、あなたに強く、前向きに生きていることを見せたいから。
ただね、アリーナ。
世の中には、いろんな事に立ち向かっている人がいるということを、
忘れないでね。
あなたには、健康で、強く、明るく、幸せに生きてほしい。
だけど、そういう人もいるということを、理解してね。
そして、やっぱり女の子だから・・・
お父様みたいに、大事にしてくれる人と、結婚してね。
私ね、本当に、お父様と結婚出来て良かった。
大変なこともあったけど、それでも私、幸せだった。
これからも、幸せになるつもりよ。最後の最後まで、私、絶対あきらめない。
だって、あなたの側にいたいもの。
あなたにしてあげたいことが沢山、教えてあげたいことが沢山・・・
だから、私、負けないわ。この運命に、立ち向かってみせる。
アリーナ。
可愛いアリーナ。
私は本当は、あなたを宝箱に入れて、大事に大事に、傷が付かないように育てたいくらいよ。
だけど、あなたも色んなことを経験して、
お友達もできたみたいだしね。
クリフトは、今までのお友達とは違って・・・
根性があるわね。
ちゃんと、あなたのことを考えてくれている。
ちょっと甘いところもあるけど・・・