頂き物・捧げ物(SS)
□☆ペコ様へ☆
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・・・・・ピコピコ。
・・・・・ピコ。
・・・・・ピッ・・・。
「!!」
「・・・ク、クリフト!」
「姫様。このような時間に、一体何をなさっているのですか!?もう就寝時間はとっくに過ぎていますよ!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
恐る恐るアリーナがクリフトに差し出したものは、
「・・・・・?」
「マーニャに借りた、ニ○テンドーDSをやってたの・・・。」
「ええ、このデコり具合からマーニャさんの私物ということはわかりますが、・・・こ、これは一体・・・。」
「・・・乙女ゲームっていうらしいの。色んな男の子達と恋をして、攻略?するみたいなんだけど・・・って、クリフト!」
話を聞きながら頬を膨らませ始めたクリフトに、アリーナは必死で弁解する。
「ち、違うのよっ!別にこうして、何人もの男の子と付き合ったりしたいわけじゃないのよ!」
「・・・でも。その画像の男の子は、全く私とはタイプが違う・・・。」
「違うの、この人は二番目で、本命はこっちの、クリフトみたいなタイプなのよ。」
アリーナは恥ずかしそうに、少しは理解してくれる事を願ったが。それでもクリフトは肩を怒らせながら、
「姫様にこんな不健全なものを渡すだなんて!全く、マーニャさんときたら・・・!!」
今にもマーニャの部屋に乗り込んで行きそうなクリフトを、アリーナは必死で引き留める。
「違うの、マーニャはクリフトの為に・・・。」
「・・・え?」
「・・・あのね。私があんまりにも男心がわかってないから、これで勉強しなさいってマーニャが貸してくれたの。」
「・・・そうだったのですか。」
クリフトは再度アリーナからDSを受け取り、プレイしてみる。
・・・・・ピコピコ。
DSの画像の男の子は言う。
「『アリーナの為なら、屋上から飛び降りてやる。お前が悲しむからしないけどな。』」
「『可愛いなぁ。アリーナの物を食べる姿ってさ、ハムスターみたいだな。』」
「・・・・・。」
「・・・姫様も、このように言われると嬉しいのですか?」
アリーナは顔を真っ赤にしながら、反論する。
「べ、別に・・・!だけどっ!」
「女の子は、いつも『好き』って言って欲しいのっ!」
「姫様・・・!!」
思いがけないアリーナの本音に、クリフトは手を取り謝罪する。
「今まで、言葉足らずで申し訳ございませんでした。マーニャさんから学ぶべきは、私の方ですね。しかし、姫様が望むなら、私は何度でも・・・!!」
「クリフト・・・!!」
男の子は言う。
「『好きだ、好きだ、好きだ・・・!!今まで言えなかった分もあるからな、覚悟しとけよ!』」
おわり
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