物語3

□キラーピアス
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「もうっ、いちいちうるさいなぁ!!」



アリーナは声を荒げる。

「私の体なんだから、何しようが勝手でしょ!!」

「なりませんぞ、姫様!!」
「そのような・・・!!」



皆、何事かとサントハイム組の元へ駆け寄る。


「なになに?」
「どうしたの?」


皆はクリフトの言葉を待つ。


「そのような・・・・!!」

「私は、王様に顔向けが出来ません!!」


「(うんうん。)」
「(何がだよ。)」



「・・・そんな!!」



「・・・お耳に、穴をあけるなど!!」



「(・・・・・。)」
「(・・・はい?)」 


「だって、そうしないとこの、『キラーピアス』が装備出来ないじゃない!!」
「されば、その武器は諦めなされ。」
「そうです。そんな、リスクの高い武器など・・・。」

「もうっ、うるさい!!」


アリーナは二人の小言に遂に大声で叫ぶ。


「もっと自由にさせてよ!これじゃ城に居た頃と変わらないわ!!」

「・・・・・!!」

アリーナの言葉にブライとクリフトは押し黙る。


「・・・・・。」



見兼ねたマーニャが、
「私、やったげよっか?結構上手よ、ミネアや踊り子仲間達の耳も・・・。」
「本当!?」


アリーナは顔を輝かせながらマーニャを見るが、


「・・・・・!!」

ブライとクリフトは物凄い形相で無言の圧力をかけている。


「ま、まぁ。アリーナちゃん、あんた大事にされてるのよ、もうちょい感謝した方がいいわよ。」
「もう、マーニャまで私をお子様扱いして!!」



「ほっといてよ!」


アリーナは自分に割り当てられた部屋に駆け込む。

「姫様!!」



「・・・今日、相部屋なのよね。」

ブライとクリフトが、縋るようにマーニャとミネアに訴える。


「くれぐれも、姫様に考えを変えるよう説得してくれぃ!」
「姫様は大事なお身体なのです!後々後悔するような事になったら・・・。耳は色々な神経が通っているところですし・・・。」


マーニャと勇者は顔を見合せ、見せ付けるように自分達の耳を二人の目の前に差し出すが、


「・・・ええ。お二人には良くお似合いですよ。特に勇者さんのスライムのピアスなんか・・・。私のセンスを遥かに越えています。」


「・・・言いだしたら聞かないのが姫様じゃ。身の回りに危険物はないじゃろうな?」

「・・・・・。」



ブライとクリフトはマーニャを見てため息をつき、ミネアに懇願する。



「どうか、姫様を!!」
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