物語1
□回復して・・・
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「姉さんったら・・・。」
ミネアが嗜めるが、
「これからも、私たち、一緒に居られるの?どうして・・・?」
「実は、ね・・・。」
申し訳なさそうに切り出す二人の言葉の意味が、アリーナにはすぐには理解出来なかった。
・・・デスピサロを倒す?・・・導かれしもの?
・・・サントハイムの皆が消えた原因が、わかるかもしれない。
だけど、私に何が、できるのだろう・・・。
ずっと側に居たクリフトでさえ、助けることが出来なかったのに・・・。
思いを巡らしているアリーナの気分を変えるように、姉妹は手入れをしてやる。
「この油、髪に凄くいいのよ。艶も出るし、匂いも・・・ほら。」
「わぁ・・・。」
なんだか大人の匂いだ。でも、嫌いじゃないかも・・・。
「こうして丁寧に毛先から塗り込んで・・・。ほら!素敵になったでしょう。」「ほ、ほんと・・・。」
鏡の中の自分が、別人のように見える。
背伸びしているようで、少し恥ずかしいけど・・・。
「きっとあの従者君も、喜んでくれるわよっ。」
「だ、だからっ、クリフトとは何でも・・・!」
そうだ、クリフトは大丈夫かな?
・・・意識を戻してないかしら?
話したいことが沢山、伝えたいことが沢山・・・。
「・・・あの、本当にありがとう。あなた達とは、仲良くなれそうで嬉しいわ。私のこと、アリーナって呼んでくれる?」
「もちろんよ、アリーナ!私はマーニャよ!」
「私はミネア。これからもよろしくね。」
「うん!!」
アリーナは弾んだ気持ちで二人の部屋を後にする。
なんだか、お姉さんが出来たみたい・・・。
微笑みながら、クリフトのもとへ向かうと・・・
「・・・姫、さま。」
「クリフト!!」
クリフトが、意識を取り戻していた。
アリーナはクリフトのもとに素早く駆け寄り、抱きつく。
「クリフト!!」
「姫さま・・・。」
「姫様・・・。」