BASARA
□逃がさないからね。
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「はぁ…」
屋上に寝転がりながら、さっき起こった出来事を考えてみる。
考えれば考えるほど嫌になるけど、気になってしかたないんだよね。
…ついさっきの事だった。
◇
(高城、どこ行ったんだろ)
廊下を歩きながら高城ちゃんの姿を探す。
高城ちゃんってゆーのは、最近俺様が気になってる女の子。
髪が長くて、たれ目の可愛い子。
でも、見掛けによらず気は強いんだよね。
『高城ちゃん…?』
すたすたと歩いていくと、高城ちゃんらしき後ろ姿が見えた。
その影はそのまま空き教室へと入っていく。
『……?』
不思議に思ってついて行ってみると、中から声が聞こえた。
『遅かったじゃねえか』
この声は、政宗…?
『ごめんってばー…』
次いで高城ちゃんの声が聞こえる。
なに、どういうこと?
『政宗だって遅れることあるくせに』
『I'm sorry』
ってことは、頻繁に会ってるってこと?
…なんか嫌だな。
バレないように中を覗いてみると、政宗が高城ちゃんの頭を撫でていた。
その光景に思わず言葉を失う。
ポカーンとしていると、政宗と目が合ってしまった。
『……(ニヤリ)』
………なに、あのムカつく笑い方。
勝ち誇ったような顔しちゃって。
イライラと怒りを露にしていると、あの馬鹿(政宗)がち高城ゃんに何か囁いたようだ。
『ま、政宗?!』
顔を真っ赤にする高城ちゃんに、あのアホ(政宗)が面白そうにに笑いかける。
『なーんか、ムカつく』
そのまま仲が良さそうに話す二人を見ていられず、その場を去ることにした。