稲妻11 夢

□愛してる。
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「気をつけてね」

「あぁ」

「怪我なんかしちゃ嫌だよ」

「分かってる」

「あたしがいないからって、他の女の子にフラフラしないでね?」

「しないさ」

「浮気したらキレるから」

「分かってるよ」


修也の服をぎゅっと掴み、その胸に体重を傾ける。
すると、修也は優しく頭を撫でてくれた。
こんな時間も、今日で暫くの間お預けになる。

──明日、修也はイナズマキャラバンを降りるから。

本当は、行かないでと言いたかった。
私も着いていきたかった。
離れたくない、そう言いたかった。

……でも。
修也が何故キャラバンを降りるのか、その理由を知っているからこそ、そんなことは言えない。


「……修也、」

「なんだ?」

「あたし、待ってるからね」

「……あぁ」


そう告げれば、修也は小さく微笑んで、ぎゅっと抱き締めてくれる。

あぁ、やっぱり安心する。

これから修也無しで生活していけるのかが不安だ。
修也も、そう思ってくれていると良いのだけれど。


「修也、大好き、だよ」

「……あぁ。あずさ…、」


名前を呼ばれて顔を上げると、そっと修也の唇と私の唇が重なった。
それを合図に、我慢していた涙が止まらなくなる。


「……あずさ、」

「修也、修也ぁ…っ」

「…毎日、あずさの事を考えている」

「うん…っ」

「連絡は、出来ないが…。
それでも、ずっとお前のことを想っているから」

「わかっ、…っ」


泣き続ける私に苦笑して、修也は私の至るところにキスを落とす。
額に、瞼に、頬に、鼻の頭に。

──そして、また唇に。


「あずさ…、    。
笑ってくれないか…?」


耳許で囁かれた言葉にしっかりと頷いて涙混じりの笑顔を作れば、修也は優しく微笑んでまたキスをしてくれた。




愛してる。

(その次の日、)
(修也はキャラバンを降りていった)



もう一回イナズマを一から見直そうかと思う。←


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