稲妻11 夢

□そばに、
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「修也、」

「どうした?」

「好き」

「…!どうしたんだ、いきなり…」


正面から抱き着いてそう言えば、修也は頬をほのかに赤く染めて私を見る。
そんな彼の反応に満足しつつも、実は最近少し不満だったりもする。

修也と付き合うことになってから、たくさんの我慢をしなくちゃならないのは承知してたはず。

だって修也は、いつもサッカーで忙しい。

今日だって何日かぶりのデートなんだけど、修也の部屋で二人でぐだぐだするだけ。
まあ、修也はサッカーで疲れてるから仕方ないって言っちゃえば仕方ないんだけどね。


だけど。


「修也」

「ん?」

「あたしのこと、すき?」

「あぁ、好きだ」


優しく頭を撫でてくれる修也の胸に身を寄せて考える。

修也が好き、大好き。
けどきっと、修也にはサッカーが一番で。
時々、私なんか必要ないんじゃないかとさえ思ってしまう。


「……あずさ?どうしたんだ、一体…」

「……んーん、何でもない」


彼の負担にならないようにと頑張っているけど、やっぱり無理かもしれない。
…けど、別れたくない。
そんな想いが交差して、頭がぐしゃぐしゃになる。


「あずさ、」

「ん?」

「顔を上げろ」


ぐいっと顔を上げさせられて、修也と目が合う。
彼との距離が縮まったかと思うと、唇にそっと柔らかいものが当たった。
それが修也のものだと気付いて目を閉じるけれど、その時にはもう修也は離れてしまった後だった。

触れるだけの、小さなキス。

その後ぎゅっと抱き締められて、彼が耳元でため息を溢すのが聞こえた。


「修也、」

「なんだ?」

「あのね、あたし、」


寂しかった。

そう告げれば、耳元で小さくすまないと呟かれる。
それと同時に、抱き締められる力が強くなった。


「あずさ、」

「ん…?」

「これからも、寂しがらせるかと思うが…、」




俺の傍に、居てくれないか…。
(そう言った彼の声は何故か震えていて)
(不安だったのは私だけじゃなかったんだと)
(少し安心した)




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主人公の不安は、豪炎寺が自分を想ってくれているかどうかということ。
豪炎寺の不安は、主人公が自分から離れてしまうんじゃないかということ。
二人とも不安なんだ!
途中から何が書きたいのかが分からなくなりました\(^O^)/


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