稲妻11 夢

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『メール受信 高城あずさ』


「高城…?」


メールの着信音が鳴り、ディスプレイを開けばそこには高城あずさの文字。
こんな朝からどうしたんだ…?
疑問に思ってメールを開き、その内容にため息を吐く。


『ごめん、風邪ひいちゃったみたい…。
今日はお休みするね。
鬼道くん、部活の練習頑張ってね!』


「……全く、あいつは…」


昨日ああ言ったばかりだと言うのに。
次から雨の日は一緒に帰ることにしよう。
高城に風邪を引かれてしまっては、気になって何も集中できない。


『分かった。
大丈夫か?
安静にしていろよ。


放課後、お見舞いに行く』


そう返信をして、携帯を閉じた。


結局部活が終わるまでメールの返事は来なかったが、高城はきっと寝ているのだろう。
でなければ、返信の早い高城がメールを返さないなんてことはあり得ない。
……嫌われてさえいなければ。

とりあえず、高城の家に行ってみよう。
見舞いと証して高城に会いに行く、というのが正しいが。





「ここ、か」


表札を見れば、“高城”とある。
正直高城の家の場所はうろ覚えであったが、春奈が何故か知っていたようで喜んで教えてくれた。
どうやら春奈は俺を応援してくれているらしい。
それは素直に嬉しいが、あの好奇の目で見られるのは少し居たたまれないな…。


「あら、家に何かご用かしら?」

「あ、」


インターホンを押そうとした所で後ろから声をかけられる。
振り向くと、高城によく似た女性が買い物袋を抱えて立っていた。
高城のお母さん、だろうか。


「あずさのお友達かしら?」

「はい、鬼道有人と言います」


そう答えれば、その女性はにっこりと笑って俺に近づいてきた。
近くで見れば見るほど似ていると思う。
特に笑った顔がそっくりだ。
高城も、大人になったらこうなるのだろうか。


「あずさのお見舞い?ありがとうね」

「いえ。高城…、さんの様態は…」

「大丈夫よ。朝に比べたら大分良くなったみたい」

「そうですか!良かった…」


その言葉に安堵する。
ただの風邪だとは分かってはいるが、心配でしょうがなかったから。


「鬼道くん」

「はい?」

「鬼道くんはあずさの彼氏、かしら?」

「はっ!?」


いきなりの発言に驚く。


「ふふっ、あずさがいつも鬼道くんの話をするから、彼氏なのかなと思って。違った?」

「ち、違います!」

「え?そうなの?」


驚いた。
まさか高城と俺が付き合っていると思われていたとは…。
しかも、高城のお母さんに。
……俺としては好都合だが。


「鬼道くんがあずさの彼氏だったら、私も安心だったのに。惜しいわね…」

「え?」

「ふふっ、まぁ、頑張ってちょうだいね。次はあずさから改めて紹介してもらうことを祈るわ!」

「あ、ありがとうございます!」





母親公認?

(付き合う前に認めてもらえるとは…)

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