稲妻11 夢

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「春奈ちゃん、これはー?」

「これは、こうしてですねー…」


なるほど!という明るい声の後に軽快な笑い声が響く。
その声の主をちらりと見てみれば、春奈と一緒に何かをしているようだった。
それを見て口元が綻ぶ。

最近、高城がよく部活に見学をしに来るようになった。
今ではマネージャーの仕事まで手伝うようになっている。
もういっそのことマネージャーになってしまえば良いのではと思うが、それはそれで心配事が多くなるのが悩み所だ。

例えば……。


「あずさ」

「あ、一郎太!お疲れ様!」

「ああ、ありがとう」


風丸。
これは最近知ったことなんだが、高城と風丸は同じクラスだったらしい。
しかも結構仲が良かったと聞いた。
……現に今、名前で呼び合っているしな。


「高城」

「あ、鬼道くん!」


高城と風丸が仲良く喋っているのが気にくわなくて、高城に話しかける。
すると、彼女はタオルとスポーツ飲料を俺に渡しながら、あの綺麗な笑顔で俺の名を呼んだ。

“鬼道くん”と。


「お疲れ様!」

「あぁ、高城もな」


そう言って頭を撫でてやれば、高城は目を細めてまた笑うのだ。

高城の後ろで羨ましそうに俺を見る風丸に、先程までの劣等感が逆に優越感に変わる。
風丸が名前呼びで俺が名字呼びなのはやはり気にくわないが、今はまだ我慢するとしよう。

こんな君の表情を見られるのなら。





嫉妬心

(早く君を、)
(手に入れたい)


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