稲妻11 夢

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『はい、もしもし』

「あ、もしもし、鬼道くん?高城です」

『あぁ、高城。どうしたんだ?』


電話越しに聞こえる鬼道くんの声に顔が綻ぶ。
それと同時に、あの時番号を聞いておいて良かったと思った。


「急にごめんね。忙しくなかった?」

『いや、大丈夫だ』

「そっか。…あのね、」


何を話したら良いんだろう。
話したいことはいっぱいある。
でも、いざ電話をするとそんなものは頭から全て飛んでいってしまう。
…私から電話したのに何も用がないなんて言えないしな。
ましてや、鬼道くんの声が聞きたかったなんてこと口が裂けても言えない。


「……」

『高城?』

「…!あ、ごめん!ちょっと考え事してた」

何を話そうか考えているうちに無言になっていたらしい。
うわぁ、これじゃ良く分からない子だよ私!


「あ、そうだ!」

『ん?』

「明日なんだけどね、」


また、部活見に行っても良いかな?

そう聞くと、鬼道くんは少しの間黙ってしまった。
…あ、あれ。
ダメだった…かな?
もしかして、図々しい子だと思われた…!?


『……』

「あ、ご、ごめん鬼道くん!嫌なら良いんだ、大丈夫だから…」

『いや、』

「え?」

『寧ろ大歓迎だ。高城が良いなら、是非来てくれ』

「ほんと?」

『あぁ』


その言葉を聞いた途端、安堵の溜め息が出る。
良かった、鬼道くんに拒否をされなくて。


『…それと、』

「ん?」

『もし良ければ、また一緒に帰らないか…?』

「…!」


ドキドキと、鼓動が高まる。
また、鬼道くんと一緒に帰れる。


「…うん!勿論!」


そう答えれば、電話越しに鬼道くんの小さな声が聞こえた気がした。






……良かった、と。

(あぁ、こんなにも)
(明日が待ち遠しいなんて)


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