DRRR!! Short:

□いつもの
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「いーざーやーくーん」

「げ、シズちゃん」


わざと間延びさせた声が昼間の池袋に響き渡る


あ、またやってる


「池袋には二度と来るなって言わなかったけかー? いーざーやー君よぉー」


静雄さんだ…


「シズちゃん、君が働いてるのはこの辺じゃなかったはずだけど」


あぁ、静雄さん…!!


「あぁ、とっくにクビなったさー。それにその呼び方はやめろって言っただろー?」


言うと彼はいつもの如く自動販売機を持ち上げる


あぁ、かっこいい…


「いざやあぁあ!!」


そしていつもの如くそれを折原臨也に向かって投げつける


「俺には平和島静雄って名前があるってよぉ」


あぁ、いつも通りだ…

いつも通り、

静雄さんはかっこいい…。



私はいつも2人を見ている。

争いをしている2人を、隅から


そしていつも思う。

静雄さんはかっこいい


折原臨也に向かって見せる表情が一番、かっこいい

他の誰でもない、折原臨也。


他の誰かと争っている時の表情よりも一番、折原臨也との表情が栄える



そりゃあ、数年前親の都合で池袋に引っ越して来たばかりの頃、

初めて見たとき、本当に驚いた

だって、人が人を投げてるんだもん



でもそれよりも遥かに、あの表情に釘付けになった

あの青筋を浮かべた表情に。



それからは殆ど行われるあのいつもの光景を見ていた。

いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも………


そりゃあ投げられる、投げつけられる人や物には悪いけど、あの表情を毎日見れるならなんでも出来る




「参ったな、今シズちゃんに付き合ってる場合じゃないんだけどな」


何処からかナイフを取り出す折原臨也



「見逃してよ」


あぁ、いつも通りだ…


「見逃す? 勝手に逃げりゃいいじゃねぇか」


電信柱を持ち上げる


…いつも通り

そろそろだ…

そろそろ、そろそろ……


「逃げてもぶっとばすけどなぁああ!!」


投げた…!!!

いつも通り…!!!


「おっと」


いつも通り、いつも通り

いつも、通り……?










「わりぃ…、大丈夫だったか?」


あ、静雄さんだ…

なんで?

どうして静雄さんが目の前に…?


いつも通りなら、こうではないはずなのに。




辺りを見渡す

…そうか、そうなんだ


そう、静雄さんが投げた電信柱は折原臨也が避けた

そこまではいつも通り



でもそれは、偶然投げた方向にいた私に直撃した

見事直撃した私はぶっ飛んだ


しかし偶然にも落ちたのが車道では無かったので命は奪われていない




痛い、

でもそんな事より



…いつも通り、じゃない


いつも通り……




「おい、まじで大丈夫か?」


罪悪感からか、いつも沸点が低い静雄さんにも関わらず、返答のしない私に根気よく話しかけてくれている



いつもとは違う、表情で…

あぁ、その表情……




「……私、あなたの表情が大好きです!」


――――――――――

以外と静雄難しいかも

多分それは私の文才の無さ故だ!


ありがとうございました!


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