もし世界が滅びるとしたら

□もし世界が滅びるとしたら
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「えっ、世界がですか?そうだなぁ、困ったなぁ…。フランスさんは、どうするんですか?」


「ん?カナダは俺に、世界最期の日に何して欲しい?」


「ぇえっ!?」


カナダは二人一緒に居ることは決定事項なことを嬉しく思う
しかし質問の答えは考えても思い付かなくて、うっかり

「…フランスさんと一緒に、居られるのなら何だっていい、です」


などとカナダにとって恥ずかしいことを言って仕舞った





「………」


「だ、黙らないで下さいっ!冗談…冗談ですから!!」


勿論 冗談などではなく根元からの本心なのだけれど、


カナダの先程の発言に黙って仕舞ったフランスは、その言葉に我に返りカナダの頬を撫でた


「いや、お兄さんうっかりカナにときめいちゃった。カナダ超可愛い」


「へ!?な、何言ってるんですかっ可愛くなんて…」


顔を真っ赤にさせて俯くカナダをフランスは愛しそうに見る


「可愛いよ、俺の愛しいカナ。一緒にいようね」

 


「〜〜〜っ、…はい」


恥ずかしそうに、でも嬉しそうに答える


だが余りにも恥ずかしかったカナダは、話題を変えようとあの質問をした


「…フランスさんは、世界最期の時に何かしたいこと無いんですか?」


「んー、そうだな。………恥ずかしいこと言っていい?」


「へ?はい、何ですか?」


フランスさんにも恥ずかしいと思うことがあるのだな、とカナダは思う
フランスの恥ずかしいことはカナダにはもっと恥ずかしい、
と本人は気が付かずに続きを促した



「あーとね…俺は、カナとずっとキスしてたいな、とね…思ってね」


カァっと林檎のようになるのは一人だけではなかったが、


「……いいですね、それ…」


とやっとのことで呟いたカナダの声をフランスは逃さず聞いていた




赤面した大人の男が二人、向かい合って座るその部屋は
なんだか甘いメイプルシロップの香りがする



世界崩壊の最期の日、そのキスはきっと

甘い甘いメイプルシロップの味





 

そして、今交わしたキスも甘い味



これでもかというくらい!








†END†


 

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