■鰤長夢
□第六章
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翌日、紅は自分の班の隊士たちと共に流魂街の草鹿へ向かっていた。
今日は十二番隊の隊士たちと合同で流魂街の見回りをする日だ
最近、虚がでる回数が増えてきている為、見回りが強化され他隊との合同になった。
召集は前日からかけてる。
だがまぁさすがは十一番隊、というべきか遅刻するやつは多数いるわけで、定刻に出発できた班はいまのところない。
紅の班は珍しく一、二分の遅れ程度で出発できた。
しかし紅は少し上の空のようにふらふらと歩く。
仕事中にこのような気を抜いている様子はいままでない。
「、、、班長大丈夫ですか?調子が悪いんだったら休んだほうがいいんじゃ・・・?」
列から抜け出してきた隊士が心配そうにたずねる
「あれ?そんなに気が抜けてるように見えたか?大丈夫だから気にしなくていい」
話しかけられた瞬間普段の笑い顔で返答する。
「そ、そうっすか?でも気をつけてくださいよ。我らが班長が倒れたら皆で押しかけますぜ?」
紅の様子をみて安心したのか冗談をいって列に戻る
草鹿ではすでに十二番隊の隊士たちが到着していた。5分の遅刻である
「遅れて来るなんて。。。さすが十一番隊だな」
その言葉に紅の班の隊士が反応する
「んだと!?いつもてめーらは俺らの後ろに隠れてみてるだけじゃねーかよ!!」
「なんだとっ!!」
「すいません;自分が召集するのをおくれたので。。。申し訳ありませんでした」
その隊士を抑え、食って掛かった十二番隊の隊士に頭をさげる紅。
出鼻を挫かれたのか、おとなしくなる十二番隊の隊士。
そこで上官らしき男が進み出る。
「いや、こちらこそ取り乱してしまって申し訳ない。私は十二番隊8席。6班班長、後藤拓哉。今回は席官が上のあなたにこの見回りの指揮をとっていただく。よろしいか?」
「えぇ。至らないとこがあるので、サポートをよろしくお願いします。」
「承知した。。。」
正直後藤は納得がいかない。
なぜ女がいきなり七席から四席に昇進する。
どうせ女という立場を利用して会得したのだろう。と思っていた。
しかし後藤は後に思い知ることになるのだ、紅の力を。
霊力で足場を作り木立の上あたりから見回りをはじめる。
しかし一向になにかおこる兆しはなく、
「なんも起こんねぇって~見回りするだけ無駄無駄」
「十一番隊の奴らだけやってらいいじゃん。戦いたいならさ」
とそんな声が十二番隊の隊士たちの間から漏れ聞こえてくる。
今にもとびかかっていきそうな隊士たちを紅は諫める
「・・・堪えて、、、言いたいやつには言わせておけばいい。いざとなったときアンタたちの力を見せてやればいいんだ・・・」
「班長・・・・」