■鰤長夢

□第四章
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紅が十一番隊に来て二週間が経つ。

紅は2班の班長を任された。人当たりがよく頼れる紅はすでに隊士たちから好かれ慕われている。





今日は桜も咲き乱れここちよい日和


紅が書類をもって隊首室の剣八のもとを訪れると日が当たる畳で剣八は昼寝中。

そんな剣八の顔を覗き込みながらひとりごと


「・・・・まったく私だってこんないい日には昼寝をしたい。。。うらやましいもんだね。。」



「じゃぁお前も寝りゃいいだろ」


この声は寝てると思ったはずの剣八から発せられている



「あり?起きてたんすか」


「人が昼寝してるときにちかづいてくる奴が居たら起きるだろ」

「そんなすげぇこと私はできませんよ;・・・」


「俺はねみぃ。てめぇも寝たきゃ寝ろ」


「そういうわけにもいきません。ほら、これに印鑑押してください隊長」

どさっと五十枚ほどの紙束を机にのせる



「・・・・おまえがやっとけ」


「印鑑は隊長が押さないといけないんじゃないんすか?」

「いつもは勝手に押してるじゃねえか」


何も言えなくなくなった紅。新たな手段にでる

「・・・あぁ・・・急に眠くなってきたなぁ…」



棒読みで台詞をいうと剣八の横でゴロンと寝転がる。



「グゥ。。。」


「・・・・・・」


「わざとらしい芝居しやがって。。。やりゃいいんだろ!」

と剣八は腰を上げ椅子に座って書類に印鑑を押し始める。

無論目を通してはいない。


それでもたっぷり一時間半かけて印鑑を押し終わる。


「おい!終わったぞ」


しかし依然として紅は丸まって起きあがらない。


不思議に思った剣八は紅の顔をのぞく


「・・・・ちっ本当に寝てやがる」


日なたが心地よかったのか紅は熟睡している


無防備な寝顔。

ふと髪をしばった髪紐に目が行く。そこには更木が与えた鈴


「まだつけてんのか・・・」



寝転がっているためいつも髪で隠れている右眼が見えている。


初日に戦ったときに一瞬見えたのだが、じっくりみると剣八の顔についているソレより深く痛々しい。



そこへゴニョゴニョと寝言が聞こえてくる



「…ふふ。。。そんにゃに天ぷりゃ食べれにゃいすよぉ。。。」


にやけながらそんな寝言をいう


「天ぷら?・・・好物か」

「・・・・天ぷりゃだいしゅき…」


「・・・・・・・起きてやがんのか?こいつ」


馬鹿らしい


しかしこのやちると同じ無防備な寝顔は美しいというか、愛しく思えてくる。


前髪は癖かゆるくウェーブがかかり、ふわりとしている。



そして肩幅の小ささ。気をつけないと壊してしまいそうだ。


紅の寝顔をみていると自分の眠気が復活してきた


自分も横になると

すぐに眠りに落ちていった
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
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