■鰤長夢
□第二章
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「はァ。。。」
次の日の朝。紅は目の前の『十一』と書かれた建物の前でため息をついた。
十一番隊の隊舎につくなり門番らしい柄の悪いやつに絡まれたのだ。
戦いなら愉しいのだがこういう輩は面倒なことこのうえない。
「おい小僧 何しに来たんだァ?ここは遊びにくるところじゃねぇんだぜ?はやく家にかえって母ちゃんのおっぱいでも飲んでナ」
・・・。
「・・・私も十一番隊なんですがね・・・・・・。」
めんどくさいので無視して行こうとする紅に決定的な一言を投げかける。
「あ”ぁ?てめぇみていな餓鬼なんぞみたことねぇな。嘘ぶっこいてんじゃねえぞ」
ぷちっ
「私は今日から十一番隊なんすよ。見たことなどあるわけがないでしょう?」
「あ”ァン?やんのかゴラ、、、、」
次の瞬間、男は白目を向いて地へ沈んだ。
そのとき紅はもう既に斬魄刀を背中の鞘におさめ
「、、、安心しろ峰打ちじゃ。。。。。。って一度は言ってみたかったんだよね。ハハッ」
余裕の一言を残し、何事もなかったかの様にその場をあとにした。
<< 十一番隊詰所 >>
「失礼しまーっす!」
といつもの気の抜けた声で詰所にあがる。
さすが十一番隊というべきか誰が来ても気にしない。。。。というか誰が来てもわからない喧騒だ
そこいらで喧嘩が勃発中。。。。
そんな危険なところをのらりくらりとよけつつ隊首室に行くべく進んでいると
「おいてめぇ。みねぇ顔だなァ。可愛い顔してんじゃねえか」
またからまれてしまった・・・
めんどくさい、、、。
「今日、八番隊から異動になりました。」
「八番隊からァ?またちゃらけたとこからきたじゃねえか」
「ここほどではないでスけどね。」
この言葉はけっして悪気があって言っている訳ではないのだが、
「あ”ァ?!馬鹿にしてんのかァ?可愛い顔してるからって下手にでてりゃァ調子こきやがって」
逆上させてしまった。
紅がどう取り繕おうかと逡巡している間に
男は折れそうな紅の首根っこをつかみ武闘場まで紅をひきずっていった。
そして武闘場の扉をバーーーンと開けると
「ここは十一番隊だ!!てめぇも男ならここで決着つけようじゃねえか!!」
と道場の真ん中に投げられた。
投げられつつ、
ひらっと綺麗に片膝をついて着地___
その騒動に壁際にならんでいる十一番隊隊士達が
「なんだ なんだ」とざわつき始めた。
そんな様子に紅はめんどくさい、とおもいつつも絡んできた男に訊ねる
「ひょっとしてここで試合をするんスか?」
「おう」
この言葉に紅はテンションがあがる。
「いいっすねぇ試合ならいくらやってもたのしいですからね」
「・・・・へっ!あとで泣いて謝ってもおせえからなァ!!」
この勝負にもう隊士どもは賭け事をはじめ、野次馬が集まっている
紅に木刀が手渡され、いつの間に決まったのか審判もいる
「両者構え!」
その言葉に男は構える、しかし紅は片手で木刀を持ちだらりと腕をさげている。
その様子に皆眉をしかめる
「ばかにしてんのか・・・?構えもせず片手だと・・・?」
「いえ気にせんでください。いつもこうなんで、、、」
「っなんだと、、、」
「始め!!」
その声を合図に紅の姿が掻き消える
「!!」
チリン・・・・
微かな鈴の音とともにものすごい霊圧を後ろから感じる。
力を振り絞って振り向く
「この程度ですか、、、もっと楽しませてくださいよ」
と呟く紅の打ち込みを受けた。
片手で軽く振るったように見えた木刀は予想を超えた重い斬撃を繰り出し男は壁に激しく打ち付けられ、床に崩れ落ちた