■鰤長夢

□第一章
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=八番隊執務室=
 
四月 桜が咲きはじめたころ

隊長こと京楽春水はいつものごとくさぼって居眠りを続行中。
副隊長の七緒に命じられ書類を片付けている隊士たちの姿がみえる

そこへ七緒が戻ってきた。

「鞍馬七席…」

と七緒の呼ぶ声に

「はぁい。なんスかァ?デートのお誘い?」
となんとも気のぬけた返事をする隊士がいた

少々はだけた死覇装からのぞく鎖骨。右目が髪の毛で隠れ、長い髪を紅色の髪紐で無造作に束ね、中性的で整った顔立ち、少し眠たげな目。
そこは隊長で扱いになれている七緒。
淡々と用件を告げる

「十一番隊から一名の人員の要請があったので鞍馬紅七席。あなたは明日から十一番隊に異動していただくことになりました。そして四席の地位に格上げです」

この声に周りの隊士たちがざわめく七席から四席への出世に、ではない十一番隊という言葉にだ。

確かに紅は強い。
片手で刀を握り鼻歌を歌いつつ虚をたおしてしまうほどで、その容姿と強さが女性死神に人気である。

しかしあの荒くれ者達の巣に一人放り込まれるのは。。。。と哀れみの目を向ける隊士も少なくない


「へっ?本人の同意なしにスか!?」

「聞いたでしょう何回も・・・それでもことごとく昼寝を続行していましたから勝手に私のほうで決めさせていただきました」

「まァいいんですけどね〜」

「・・・。」

「しっかし紅ちゃんを十一番隊にあげるのはおしいなァ〜〜〜」

「隊長!!」

「だァ〜って紅ちゃん強いし、カワイイし、書類もすぐ片付けてくれるし。それに一回もお酌してもらってないんだよねぇ。一回もしてお酌しないうちにほかの隊にいっちゃうの〜?」

「いやァだって隊長の周り女性が群がってて近づけないじゃないすか」

「紅ちゃんも女性じゃないの」

「隊長だけっすよぉ。そういう風にいってくれんのは」


「お二人ともいい加減に仕事をはじめてください!!!!!!」

「まァまァそんなに怒らないで七緒ちゅわ〜ん」

「隊長!隊長が仕事をしている隊士にちょっかいをだすから隊士の手が止まってしまうんですよ!!!まったくあなたはもっと隊のことを…(以下略」

ことごとくお説教を喰らう京楽を尻目に
紅のアタマの中では
十一番隊か。いいねぇ。強いやつがいっぱい居んだろうなァ。
あ、一角さんも十一番隊だったっけか。久々に稽古つけてもらおうか。
たのしみだッ!

・・・・ことごとくプラス思考なのであった

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