【シーズンSS】
□Valentine SS
1ページ/3ページ
【サイドスワイプ&ディーノ】
「なあ、バレンタインデーって知ってるか?」
「……いや」
「聞いたんだがな、女が男に『好き』っていう日らしいぜ」
「ほぅ…で?」
「俺も言われるんだろうか?…まいったな」
「……」
「しかもこの日のプレゼントは食い物と決まってるそうだ」
「…食い物?」
「ああ、こう茶色とか黒とか白いヤツで、甘くて…」
「なんだそれは…不気味だな」
「ああ確かにな。だがそれをもらったヤツがどうやら勝ち組となるらしい」
「…勝ち組?それは勝負なのか?」
「そうだ。サムがそう言ってた」
カラフルなリボンやチョコレートで彩った華やかな店先が立ち並ぶストリート。
可愛らしい人間の女の子達が頬を染めて店先に集まり、何やら楽しそうに騒いでいる。
物珍しさも手伝って、それを横目にじっと観察しながらトロトロと並走して走る銀色のコルベットと真っ赤なフェラーリ。
その後には長い長い渋滞の列が続いており、クラクションの音がたえず響いていたが、スピードが売りであるはずのこの2台のスポーツカーはこの日ずっとこんな調子だった。
後に軍からクレームが付き、アイアンハイドからこっぴどく説教されたことは言うまでもない。
―好奇心はいつだって新しい道を教えてくれる―
Walter Elias Disney
(ウォルト・ディズニー)
―Fin.
どちらがどのセリフを言ってるかは、読んだ方のご想像にお任せでv
(2012 02 16)