Love and Happiness

□みちくさ
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その日、たまたま同じバスに乗り合わせた。

「おはよう」
「うん」

うん、て何よ、と思いつつ、それでも隣に立つ。バスは通勤通学客で満員状態。いやでも隣の人とくっつかざるを得ない状況だ。
そういえばずいぶん背が高くなったなぁ、と隣に立つ男子高校生の横顔を見上げた。

「まーちゃん、さ」
「その呼び方、止めて」
「はい?」
「小さい子じゃないから」

ぶすっとしてる横顔がますますぶすっとする。
いつからこんな子になっちゃったんだろうかと、過去を振り返ったりするけれど……だめだ、思い出せないや。

まーちゃん、で怒った彼は、正孝くん、という隣のうちの子だ。
彼のお姉ちゃんが私と同い年で、小さい頃は私の兄を含め四人でよく遊んだ。私と兄は年子だけど、まーちゃんとお姉ちゃんのすみれちゃんは五つ離れていて、私はまーちゃんを赤ちゃんの頃から知っている。

「いつもこの時間に乗るの?」
「……違う」
「そう、だよねぇ。だったら毎朝会うもんね」
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