企画物

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「鬼鮫っ、誕生日おめでとうっ!」


あたしが、暁メンバーに押し付けられた家事などで疲れた様子の彼に大声で言いながら定番のクラッカーを鳴らせば、彼はぽかんと目を丸く見開いた。



「え?今日って…」


「たった今、日付が変わったばかりだよ!3月18日!鬼鮫の誕生日じゃない」




あぁ、そういえば…なんて12時を指す時計を眺めながら、彼はなんとも間抜けな発言をした。

家事に追われて遂に自分が性を受けた日まで忘れてしまったようだ。

あたしはわざとらしく腕を腰にそえながら溜め息をついた。


別に、遅くまで起きてることの苦手な、早寝早起き生活のあたしがわざわざこんなサプライズをする必要はなかった。

暁のメンバーは皆御祝いごとが好きだ。

勿論、誕生日会だって必ず皆で行うから。(わざわざリーダーは任務をずらすようにしてる)



「別に明日…じゃありませんでしたね…。今日の晩で良かったのに」


「それじゃあ意味がないのっ」



鬼鮫は恋愛には疎い。

長年の付き合いだ。(と威張ってみたが、あたしが暁に入ってから今までの二年間だけ)

だからそれくらい百も承知だ。



「…つまり」

「つまり?」


「……あたしが誰よりも1番最初に鬼鮫の誕生日を祝いたかったってこと。」



大胆に言ったもののやっぱり照れ臭くって、あたしは目を斜め下に向けた。


クスクスと、鬼鮫の笑い声が上から聞こえた。(彼とあたしはかなり身長差があるからね)


「貴方らしいですね。」

「…子供っぽいっていいたいの?」

「いえいえ」


彼は微笑みながら
あたしに唇をおとした。短い、短い触れるだけのキス。


「っ……!!」


唇が離れてから、あたしは赤く染まっているであろう顔を右手で覆った。


彼はそんなあたしを見て楽しそうに笑って言った。




「…最高のプレゼントを有難うございます」




end

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