素敵な頂き物小説
□千秋君と館長Part2
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「ちーあーきーくーん」
「何ですか、館長。猫撫で声出さないで下さい」
ご機嫌な様子で千秋―――図書館の司書―――を呼ぶ館長。
それに淡々とした反応を返す千秋だったが、館長は特に気にすることもなく続けた。
「ジャーン!これなーんだ?」
「わかりません」
「狽ケめてこっち見て答えようよ千秋くん!?(ガーン)」
ちらりとも見ずに言う千秋にショックを受ける館長。
しばらく、
「構ってー」
だの、
「寂しいんだよー」
だのと纏わり付いていたが、そのうち拗ねて隅の方でのの字を書き始めた。
「館長、何サボってるんですか。そんなことしている暇があるなら仕事して下さい」
「だってだって、千秋くんが冷たいー……(シクシク)」
「……………」
「構ってくんなきゃ仕事しないもん(イジイジ)」
「………(深い溜息)
…それは一体何ですか、館長」
「(コロッ)あのねー」
とにかく仕事をして貰おうと仕方なく折れた千秋。
話をふると、館長はころりと機嫌を直した。
「これはねー、ハワイへのペア旅行券なのでーす!!」
きゃっほーい!といった感じで言う館長。
千秋はそれを、
「あっそう、だからどうした」
といった感じの目で見ていた。
が、すぐにまた仕事へと戻る。
どうやら、館長のバカに付き合う気が失せたらしい。
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