□開花  2
1ページ/6ページ





「お邪魔します」

「お、お邪魔しますっ!」




広間では、対照的な二人の子どもが幹部たちに囲まれていた。

一人は、このような状態でも平然としているが、もう一人は落ち着かないようで視線を彷徨わせている。





「……で、どういうことだ」



相手が子どもであろうが、土方は厳しい口調で問う。
普通の子どもならば、泣き出しそうなものなのに、蛍、という子はまったく怖がっていない。
どうやら普通の子どもでは、なさそうだ。





「簡潔に言わせていただくと間違えたんです」


「「「「「「間違えた?」」」」」」


「はい。その飴は本当は違う人に食べさせようとしていたんですが、
普通の飴と混ざってしまったようで、その飴を千鶴さんにあげてしまったんです」


「それはわかったけど、何で身体が成長するの?普通、ありえないでしょ」


「ややこしくなるので簡単に言わせていただきますが、実は私たちは違う世界から来たんです。
そこには【ガリバー飴】という飴があって、その飴は舐めている間、年齢を変えることができるんです」


「違う世界ってえのは気になるが、それは後にするとして、
今、千鶴は飴舐めてねえだろ。成長したまんまじゃねえか」



「それは蛍が改造したからやねん!」



それまで視線を彷徨わせていた、蜜柑、という子がしゃべりだす。


「改造?」


「うん!蛍は天才の発明家やねん。ほんまにすごいねんから!この前も――」



バカンッ



「「「「「「!!!!!」」」」」」



「すいません。この子、馬鹿なんで気にしないでください」


「……何したんだ?ていうか、それ、何だ?」


「私の発明品です。話を戻しますが、私はその飴を改造して、
もっと長い時間、年齢を変えた姿を保てるよう、改造しようとしたんです」






((((((……起き上がってこないのに、いいのか?))))))






あの状態にした張本人は平然として、心配する様子もない。
吹っ飛んだ蜜柑という子に駆け寄ったのは、千鶴だけだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ