すまぶら
□21〜30話
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光をなくした空
闇に包まれた空は
どうなってしまうのか
それの未来を握るのは
ただ一人の少女
-第21話-
太陽
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「…ク!!」
頭に声が響く
「…イク!」
「アイク!!!」
「!!」
目を開けた先にはマルス
そして鼻につく独特の臭い
「霧咲…………!!!!」
起き上がろうとすると体に走る激痛
思わずもう一度ベットにダイブすることになってしまった
「無理しちゃ駄目だよ!」
「アイク大怪我してるのに…!」
大怪我?
そうだ、俺………
「霧咲……は…?」
俺らしくもないか細い声
周りが静まり返った
「……君の傍に…霧咲はいなかったよ…
ただ、君の手にコレが…」
マルスが俺に差し出したのは俺が霧咲に誕生日にやった蒼いリボン
それを恐る恐る受け取る
俺はまた……
大事なモンを護れなかったのか…?
あの小さくて儚い存在を
あの
どうしようもなく
愛しい存在を
「霧咲……ッ」
リボンを思いっきり握った
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あの後 私は
『これ以上は…手を出さないって言うのは…』
「あぁ、手は出さない。約束しよう
行くぞ」
『…はい』
小さなブラックホールみたいなものがシャドーの傍に現れた
私に、拒否権はもうない
『アイクさん…』
ゆっくりと、血が滴る体を地面に下ろした
『…ごめんなさい』
腕に巻いてあったリボン
誕生日に貰った
大事なリボン
もう戻れないんだ
いつも私の頭の上に乗せられた暖かい手に
外したリボンを重ねた
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「そんな!」
「じゃあ霧咲は…」
「……ッ!」
「アイク!」
「放せっ!」
「アイク!!!」
「ぐッ!」
ベットから起き上がろうとするアイクを慌てて制し、再びベットに押し付ける
アイクは顔を歪ませ、したくもないベットとのキスをする事になった
「僕らが慌てたところで霧咲は戻ってくるわけじゃないだろ!」
「…マルスの言う通りだわ」
「マルス…ピーチ……」
鈍いアイクにも分かっていた
この場に居る全員が冷静なんかではない事を
分かっていた
霧咲が自分の影の手に堕ちたと言う事も
「クソッ…」
血が滲むぐらいに手を握り締めた
その手に同じく握られていたのはリボン
この場で悲しみと言う感情を持たない者は居ない
そして、
太陽は
闇に堕ちた
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後書き
…暗い!!?(聞くな)
って短くね?
むむむ…やばい最初と思ってた感じが違ってきた←
と、とりあえず続きます
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