秘密の花園

□細波-サザナミ-
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浜辺に打ち付けられた波が、再び海に戻って行く。






「・・・・・・元親・・・・・・」






船の一角で鎖に繋がれた少女は呟いた。

久し振りに再会した幼馴染みは少し変わっていた。






「・・・元親・・・。いい加減コレ外してくれない?」






「駄目だ。
外したらお前はどっかに行っちまうだろ?」






動けない少女に、元親(鬼)は近付き、その頬を撫でた。
それから耳元で、






「俺のお宝は誰にも渡さねぇ。
・・・お前は俺の宝だ」






宝は俺のモノ。






「絶対にこの鎖は外さねぇ。
お前は一生






俺のモノだ」






鬼に囚われた少女は、一生、






波(ナミ)の上で揺れるだけ。

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