マリオネット〜操り人形の恋〜

□第6話『クラスマッチ』
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-サブヒロイン・豊臣 礼夢-
「うぉぉぉぉっ!!!闘魂絶勝!」

「・・・幸村。良いから早くボールを・・・」

はぁ。と息を吐いてみる。・・・何故こんな事をしているかと・・・いや、そもそも何をしているのかと言うと、それはバーベキューをした二日後に遡る。






-昨日。ヒロイン・かりん-
「・・・クラス・・・マッチ?」

私はかなり素っ頓狂な声を出してしまった。

「そう。クラスマッチ」

野霧は何だか嬉しそうだ。

「秀吉の奴さ、娘の「人の輪から一歩離れたがる習性」を直したいらしくてな。ってか、入学ガイダンスに有ったぞ?」

「嘘っ!?」

「本当」

いやそうじゃなくて、野霧に気付けて私が気付かないなんて。
・・・不覚・・・!

「けどさ、4月も4月。俺達まだ入学して二週間行くかいかねぇかだぜ?しかも全校生徒3千近く。・・・んな中でクラスマッチなんてどうやってやるんだ?」

「・・・」

ぜ・・・全校・・・3千・・・?
待って、此処ってそんなに生徒居たのっ!?

「あ、そうだ」

がさがさと、野霧は紙をあさった。

「はい。俺達の出場競技。ま、ガンバろうぜ。」

「は・・・・・・」

笑顔な野霧に、返事が出来なかった。






と、言う訳で、私は今、野霧と一緒にギャラリーで
2年R組VS3年B組
のドッヂボールの試合を見ている。
たった今、ボールの主導権を握ったのは赤い鉢巻きの先輩。真田 幸村。・・・何か、「我が魂、熱く燃ゆる!!」とか叫んでる。
豊臣先輩・・・完全に呆れてる。





-サブヒロイン・豊臣 礼夢-
「行くでござる!」

やっとの事で幸村は相手チームに向かってボールを投げてくれた。
けれどそれは、勢いを付け過ぎた所為か外野に居た元親に受け止められず、壁に激突し相手コートで停止した。
力の加減をして下さい。

「・・・幸村?」

「む。失敗したでござる。すまぬ。礼夢殿」

「私でなく、彼等に謝った方が良いと思いますが」

クラスを応援していた暇なクラスメイト達が幸村に不平の意を漏らした。


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