マリオネット〜操り人形の恋〜

□第5話『糸の夢』
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「卿には行く所が無いのか?」

誰・・・?

「では、私と来ると良い。卿を有効に活用しよう」

待って・・・
私が行くのは、そっちじゃないの。
私が行くのは・・・。






「!」

がばっと、起き上がった。

「あ、起きたー」

「・・・」

オレンジ色の髪。

「・・・」

ほっ。と、胸を撫で降ろす。
私が行くのは、オレンジ色の・・・。

「?大丈夫?かりんちゃん」

「・・・はい・・・」

安心する。のと同時に、あの人には会いたくないと思った。

「・・・猿飛・・・先輩・・・」

「ん?」

佐助で良いよ〜。と言われるが、無視する。

「私・・・は、何を?」

「・・・」

私がそう言えば、先輩は一度で理解してくれた。

「・・・覚えてるんだね」

「・・・外に行こう。と言われて、・・・それから・・・、豊臣先輩に・・・!」

口を押さえる。
吐き気がする。
あの時、私が手に持っていた物って・・・。

「霊具だよね。かりんちゃんの」

「・・・霊具?」

剣とも針金とも言える。ってか、両方だよね。

「うん。・・・そっか。あの時の約束。契約になってたんだ。なら、使っても全然不思議じゃないよね」

「?」

猿飛先輩が何を言っているのか、解らない。
その時、コンコンとドアがノックされて、

「失礼するよ」

と、声がした。

「佐助君。かりん君の様子は・・・」

入って来たのは、竹中 半兵衛。・・・あれ?何でフルネームで・・・。

「今起きた所だよ」

「良かった。・・・だ、そうだよ。秀吉。礼夢。」

「え・・・」


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