マリオネット〜操り人形の恋〜
□第4話『操り人形〜1〜』
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-サブヒロイン・豊臣 礼夢-
目の前に迫っていたナイフは、同じ刃物で弾き返された。
「まったく。礼夢ちゃんって、時々無茶するよね」
それは、猿飛さんの持つクナイだった。
「俺様、契約不明になってるけど、普通に戦うだけなら出来るよ」
「大丈夫だった?」と聞いて来る。
「はい。…で、何故半兵衛まで居るのですか」
猿飛さんがナイフを弾く少し前に私の視界には青い籠手が入って来た。それは私を後ろに引き、抱き寄せていた。
「離していただけますか」
「ああ。そうだね」
・・・半兵衛の反応から、手を離す気が無いと伺える。
「礼夢。君は手を出さないでくれ。君に何か有る、秀吉に怒られてしまう」
「・・・」
私は無言のまま、半兵衛を睨んだ。睨まれている当の本人は、何時もの如く笑顔を向けるだけ。
『・・・ダレダ・・・』
「君こそ、誰だい?」
そう言って直ぐ、半兵衛は自分の言葉を訂正した。
「君の上は誰だい?」
関節剣を構えながら聞く。相変わらず、半兵衛の腕が近くに有る。
「ちょっと、竹中の旦那?かりんちゃんの事、傷付けないでよ?」
「その心配は有りません。それとも、貴方は半兵衛の腕を信用していないのですか?」
「そう言う訳じゃないけど・・・」
「それに、手を出すな。と言われても、私は半兵衛を援護します」
駄目だと言われる前に、私は銃を取り出す。
『ジャマ・・・殺ス!』
それでも何か言いたそうにしていた半兵衛は、駆けて来る敵に眼を向けた。
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