季節小説

□雛祭り
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3月3日は雛祭り。


この10年間、女神将達は決まってあるものを3月3日に飾ってお祝いをする。


「また今年もそんな古くて汚くなったの飾るの〜?」


昌浩は楽しそうに桃の花や雛あられや白酒を用意する女神将達に呆れたように呻いた。


「古いのは紙なんだから仕方ないわよ」

「毎年大事に仕舞ってありますから汚くもありません」

「そうです。私達の宝物なのですから気にしないでください」

「太陰、天一、天后の言う通りだ。私達の好きにさせろ」

「勾陣まで〜」


女神将達の宝物。
それは折り紙で作ったお雛様にマジックで顔や着物の柄を描いた不格好な紙人形だった。


作ったのは小さかった昌浩…と。


昌浩は10年前のあの日に思いを馳せた。
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