短編小説
□素直じゃない
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「神楽…?」
靴はあるし…台所にも居ねぇし,厠にも居ねぇ(ノックしただけだぞ)。
「………となると」
押し入れか………
押し入れに手をかける。
ビクともしねぇ。まるで内側から鍵がかけられているようだ。こりゃ神楽が押さえてんな。
「かーぐーらー」
「………………」
「かーぐーらーちゃぁぁぁん」
「…………………」
何コレ…さっきと逆じゃん
何必死になってんの俺…
「神楽ぁ……」
「………………銀ちゃんのバカ」
小さくか細い曇った声。
「ハァァ………あーバカだ大バカだよ銀さんは。だから出てこいよ」
俺も素直じゃねぇな…「ゴメン」て言えば済むのによ。
「出てこいよ。」
「…………今無理アル」
「なんで」
「…………………」
鼻をすする音が聞こえたのは気のせいだろうか
「オセロ…やるか?」
気持悪ィな…俺の声。