短編小説
□本当の気持ち
4ページ/8ページ
「大串君の下の名前は何アルか?マヨネーズ?」
「んなわきゃねぇって。……十四郎ー。」
「としろう? 」
「とうしろう!!」
「変な名前アルな。どんな字ネ?」
俺の手に石が握らされた。
「………オイ。書けってか?」
「ここに書くヨロシ」
「……………はー」
《ゴリ…ゴリガリゴリ》
『神楽』のミミズのような字の横に
『十四郎』の整った字が並んだ。
「ふぅ………としろーも苦労したアルね…」
「は?何で?つーかとしろうじゃねぇよ。ワザとやってんだろ」
「14番目じゃ色々大変だったんじゃないアルか?お金とか食べ物とか」
「馬鹿かお前。何でも数字がついたら子どもの数だと思うなよ」
「マジでか!!」
「……………フ…」
変なヤツ…
一瞬だが…総悟が構いたくなる気持がわかったような気がした。
.