短編小説

□保護者
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「あ……酢昆布きれてるネ」





今までなら「行ってきますヨ〜」って銀ちゃんの顔見て欠かさず言ってた…だけど…



最近は背中向けてぼそっと言うだけ。銀ちゃんの目,私見れなくなってしまったヨ。






黒いブーツを穿き,玄関を開ける。






「んぁ〜お前どっか出かけんの?」

小指にハナクソをつけた男が近寄る。


「酢昆布ない。だから行くネ」

なんか変な言い方になってしまったヨ。





「神楽!!」

銀ちゃんの手が私の肩を掴んだ。やめてヨ…心臓が締め付けられる。悲鳴をあげているヨ




「なっ…何アルか?」

「いちご牛乳」

私は泳いだ目を戻し,呼吸を整えた。「……ハイヨ」


――――バカ天パ。急に呼ばれたからびっくりしたヨ。





お前のせいで,私おかしくなってしまったネ。心臓が苦しくなるネ。バカ天パ…お前のせいアル。





「あ〜知らねぇおっさんにはついてくんじゃねぇぞ。男は皆」

「獣アルな」

その言葉,いい加減聞き飽きたネ。だけど…ちょっと嬉しいのは教えてやんないアル。大事にされてるって思えるネ。私の自意識過剰アルか?











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