短編小説
□家族
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「神楽。外へ出ようか。色々話したいこともあるし」
「……………ゥン…」
兄ちゃんの記憶…
パピーを殺そうとした時のあの表情,音…パピーの腕が高く高く飛んでったあの映像。その時の兄ちゃんの笑顔…
それしかない…優しくされた記憶なんて一つも…。
無意識に体が危険信号を出す。おかしいな…血の繋がった兄妹なのに。
「俺達が席外しゃいー話だろ。行くぞ新八。」
「あ…ハイ…」
銀ちゃん…新八…
ここに居てヨ…
一人にしないでヨ…
「今の二人は…友人かい?」
「………」
友人?
「…違う…違うネ」
「……へぇ。」
家族…って言っていいのかわかんなくて…
「……俺がここに来た理由を聞かないのかい」
「……………ぁ…ぇと…」
「そんなに固くなることないよ。兄妹なんだから。」
「…………」
「まぁいいや。俺がここに来た理由を話すとするか…」
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