短編小説
□特等席
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ただ駄菓子屋へと歩いているだけなのに
すれちがう人が振り返るのはなぜだろう??
答えは俺が一番よくわかってるさ。
隣が可愛いすぎるから
「銀ちゃん!団子!団子!」
「…………」
《あらー可愛い妹さんねぇ》
「銀ちゃん!ラーメン!ラーメン!」
「……………」
《お〜兄ちゃんめんこいの連れてるじゃね〜か》
《どうだい?この後おじちゃんと遊ばねェかい?》
「……………」
《可愛くね〜?》
《お前声掛けてみろよ》
「……………」
これじゃぁ身が持たねェ――――!
「神楽っ!駄菓子屋まで競争!俺に勝ったら+一週間分だ!」
「うおォ――――!」
早っ!!!
これなら変な虫がつく暇もねぇな
我ながら…大人気ねぇけど。
数分後。
俺の財布からは札が消えた。
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