短編小説
□特等席
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いつもの髪飾りは頭に付いていなく,逆毛をたてたお団子が二つ
遅れ毛がサラサラと揺れて,大人っぽいような…子どもっぽいような…
目の上には薄いピンク色
いつもよりくっきり丸みをおび,大きく見える目
頬は薄く自然な桃色で染まっていて
唇はツヤツヤしている
「………」
変態じゃねぇか俺!!!
「銀さん言葉も出ないみたいよ。神楽ちゃん可愛くしすぎちゃったかしら」
核心をつくな
お願いだから
当たってんだよ!!
「銀ちゃん!行こー!」
うわ…
近くで見るとまた違う…まつげ長ェな…
「いってらっしゃい」
お妙を万事屋に残し,神楽と出かける。
報酬は…バーゲンダッシュ…1ダースかな。
「……で?どこ行くの」
「駄菓子屋ネ!!酢昆布がとうとう底をついたアル」
「何個?」
「一ヶ月分」
「…………」
この顔でねだられたら…何でも言うこと聞いちまいそうだな
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