短編小説
□特等席
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「ちょっ…待て神楽!そんな顔で行ったら…」
ついつい本心を言ってしまいそうになり,俺は言いかけた言葉を飲み込んだ。
「……さらわれっぞ!!」
「何のために銀ちゃん連れていくと思ってるネ!銀ちゃんがいれば平気アル」
「…………ちょっと待ってろ!支度してくるから」
「ウン」
俺は迷わず電話をかけた。
《………ハイ。あらー…わかったわ。そーゆーことなら…すぐ行きます》
安堵の溜め息をつく。
後は待つだけだ。お妙の到着を。
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