短編小説
□手ぇ出せねぇ
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「……もう何もする気がしないアル」
「あー。ここから出たくねぇな。一生」
「銀ちゃんテレビまわしてヨ。この番組つまんないネ」
「おめー聞いてた?人の話。俺はここから動きたくないワケ。チャンネルくらいてめーで変えろ」
「いやアル寒いアル。」
小さなコタツの中に首まですっぽり入った二人。
二人ともそこから動く気はない。
「……早く〜回すアル」
「……………。」
「オイ聞いてんのか」
「……………」
「寝たフリアルな…」
神楽はコタツの中に潜り込み,寝たフリをしているらしい銀時の隣に顔を出した。
「スー…スー…」
規則正しい寝息が聞こえる。
「本当に…寝てるアルか?」
神楽は銀時の顔をまじまじと見る。
「銀ちゃん鼻毛出てるヨ。」
神楽は銀時の鼻毛をつまむと躊躇うことなく一気に引っこ抜いた。
「ん…!?」
「やっぱり寝たフリネ!」
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