短編小説
□ヒトリノヨル
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「じゃ,おやすみなさい。」
「おやすみ新八ィ。」
「神楽ちゃん,お腹出して寝ないようにね」
「何ィ偉そうに!いつ見た!いつ見たんだコルァ!言ってみろ」
ま〜たお前はすぐ…
「ほれ神楽その辺でやめとけ。どんどん遅くなっちまう。新八気ィつけてな」
変なヤツに絡まれんなよ。
「ありがとうございます。おやすみなさい…」
小さく玄関の閉まる音がして,万事屋には俺と神楽の二人だけになった。
新八は少なくとも週に2,3回は帰るから,珍しいことでもない。
もうこの状態にも慣れた。
何も意識することはない。
逆に新八が実家に帰る時は俺は絶対に出かけないようにしてる。
いや,やましい気持ちじゃなくて神楽を一人にしないためにね。
あいつものっそい寂しがり屋だから。
表には出さねェけど…
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