短編小説
□家族
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銀ちゃんに起こされて。布団剥ぎとられて。
起きたら新八の作ったごはんが並べられていて…
そんな…
いつもと同じ朝――
になるはずだった。
「神楽ぁ起きろ。」
「ん゙……。」
「起きろ」
いつもの銀ちゃんの声と違う気がして…
「……どしたアルか…」
「客だ」
「誰ヨこんな朝っぱらから…」
銀ちゃんは何も言わなかった。私は何だか嫌な予感がした。
リビングに行きその姿を見て私は息を飲んだ。
「……………」
私と同じ色をした髪を一つに結い…
透ける様な肌をした
私と同じチャイナ服を着て…同じ傘を持った男…
「兄ちゃ………」
「久しぶり。神楽」
声は…いつかの声よりも太く,低くなっていた。
なんで
なんで?
なんでここにいるの?
兄ちゃん…
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