短編小説
□特等席
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「銀ちゃん。どぉアルか??」
自信満々といった表情で俺に近付く神楽…いや,神楽なのかすら疑問に思ってしまう神楽が,俺に近付き言った。
「どぉ……って言われても…」
目の上には紫のアイシャドーがくまなく塗られている。
おまけにちゃんと鏡を見たのかよと疑問になってしまうくらい,唇からはみ出ている真っ赤な口紅。
これじゃぁどっかの怪しいパブだよ。
いや,こんなんいねーよ。
「グッとくるアルか?」
「……………」
いろんな意味でな。
「言葉も出ないアルか…私も腕をあげたネ」
いや,キャバクラの回から何も進歩してませんけど。
俺が呆れて床を見ていると,神楽は何やら準備をし始めた。
「さっ!!出かけるアルヨ!!」
その顔でか――――!!
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