短編小説
□誕生日
1ページ/3ページ
今日は私の生まれた日
だけど…誕生日なんて私の中では大きなイベントじゃなくて
家族でケーキを囲んだ記憶も
ロウソクの火を吹き消した記憶もない。
何のためにあるの?誕生日って
そんなのあったって
悲しくなるだけ
虚しくなるだけ
泣きたくなるだけ
自分が独りだと実感するだけ
そんなことを布団の中で考えていると
《ドオォォーン!》
「…………!!何!?」
何…今の爆発音
「クサッ!!」
そして焦げた臭い。
私は布団から飛び起きた。
「もー何アルか…まだ朝ヨ」
臭いのする方に足を進めると…台所にたどり着いた。
.