Novel 1
□奇跡なんてなんと安易な言葉なのだろうか
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朝5時からのバイト、8時からは学校
そのあとは部活の助っ人で7時からはまた朝とはちがうバイト。
終わった後は満員電車で帰宅
自分では気づかないうちに、たくさんあたしは疲れていたみたい
家に帰る途中に急に視界が真っ暗になって橋の上から落ちた
まるでドラマみたいにまっすぐに水の中に叩き込まれる
体中が痛くて服が水を吸って重たくて泳げない
水の流れにまかせあたしは深く深く沈んでいった
次に目を覚ました時にあたしは、岸の上でもない、暖かい布団の中でもない
丸くなるように座っているレインとそれを見つめる友達たちの頭上だった