Novel 1

□おにいちゃんといっしょ
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「ファイン」







「なぁに?」











よっいしょと掛け声とともに軽いファインの体を持ち上げる






髪の毛からはふわふわした甘い香りが鼻元をかすった











「おにいちゃん・・・!あたし、ちゃんと歩けるよ!」











癖のついた髪をぐいぐい引っ張りながら、ファインが叫ぶ











「いたたたたた」








「あぅ!ごめんね・・・」














仔猫のように小さく丸くなったファインがブライトの襟に捕まった





きゅーんと胸の奥に矢が突き刺さったような感覚が全身に痺れわたる













「あー、もう本当にかわいすぎる・・・・」







「いたいいたい・・・」











小さな手がバタバタともがきブライトの胸から離れていく





少し残念だったが、それでもまだ自分の胸の中にいてくれる妹が愛おしかった










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