Novel 1
□木の葉は舞う
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ファインが登った木は、幹が太い割には上のほうの枝は比べ物がないくらい細かった.
ファインが枝の上を、ゆっくり歩みを進める。
バサバサっと木の葉が下に流れ落ちた。
「もうちょっと、もうちょっとだから・・・・」
ファインの手を伸ばした先には、真っ白な白い毛の子猫がいた.
手が自分に近づきそうになると子猫は、一歩ずつ下がる。
「怯えないで・・・大丈夫だから・・・」
ファインは、息を呑んだ。
これ以上は先にいけない・・・。
「にゃーあ!!」
子猫は、奇声を上げながら上の枝に飛び乗った。
ファインの目に涙が浮かんできた。
「大丈夫だから・・・。」
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