Novel 1

□シェイド君とファイン
3ページ/6ページ



なるべく、彼に自分から話しかけた。

話しかけたら彼は、優しく対応してくれた。彼と話してるときは幸せとしか言いようのなかった。



でも、本を読んでいる彼は私にはすぐに振り向いてくれなかった。



いや、私じゃなくても先生にも友達にもしばらく無視して

優しく笑って答えていた。





「ねぇ、シェイ「シェイド〜!!」





声が遮られた。


声がした方向を見ると、そこにはふたご姫の片割れファインが近づいてきてた。





私はあの子が苦手だ。



いつもニコニコ笑っていてそれでいて、

しかも、授業の邪魔はするし・・・



プリンセスの癖に廊下は走るし、大食いだし・・・



絶対あの子にどんなことを言ってもニコニコ笑って、

「そうなの!」みたいな感じで返してきそう。



あの子の、泣いている姿なんて想像できないわ。





多分、シェイド君もファインは苦手なタイプだと思う。







「あのね、あのね!ココ教えてほしいんだけど・・・」





テヘって顔をしながら、ファインがシェイド君に笑顔を向ける。

ほら、またあの笑顔・・・あの子は、いつもあの笑顔でみんなと話している。





シェイド君が、本を読んでいることに気づいてないのかしら。



パタン・・・



シェイド君の本が閉じられた。ファインが呼んですぐに・・・

私が呼んだら3・4分は無視するのに・・・



そして、はじめて見た。シェイド君の表情・・・

とっても、優しく笑っていてそれでいて、なんとなく嬉しそうで・・・







「分かったから。ココはな・・・xが移行してyが・・・」



「えっ〜と・・・xがyに・・・」





二人を見ていたら、居心地が悪くなってくる。

正直、こんなこと思いたくないんだけど・・・



二人は、お似合いと思う。





ファインの赤髪とシェイド君の黒髪は太陽と月を表してるみたい・・・。



なんとなく、焼けちゃうな・・・







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ