Novel 1
□シェイド君とファイン
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ある日、初めてこの係になっての係会があった。
「あ・・・あの!シェイド君、そろそろ・・・係会に行かないと・・・」
声が裏返りながら、彼に話しかける。
彼は、私のほうに見向きもせず難しい本を読んでいた。
やっぱり、怖い人・・・。
プリントを握る力が強くなる。
しばらくの沈黙が私たちの間に流れる。
「・・・すまない。行こうか。」
本を閉じ、私に微笑みかける。
息が止まる。すごく綺麗な笑顔だった。
顔が熱を帯びる。
その笑顔から、私は・・・彼のことを好きになった。
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