Novel 1
□たとえばのお話
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「シェイドは優しいんだな。」
自分より細くて小さな彼女の頭をなんとなく、なでる。
彼女の顔が、ボッと赤くなる。
「あっ!いたよ。プリンセスブライト!こっちです。」
レインが手を引きながらプリンセスブライトが走ってくる。
「ファイ〜ン、お父様もお母様も怒ってたよ。絶対、怒られるよ。」
ニヤニヤ笑いながら、レインが肩を小突く。
体中に重いものがのしかかる。
「プリンスファイン。こんにちわ。」
走ったせいか、少し息切れしながらスカートの裾を持ち上げ、頭を下げる。
なんていうか、背景にはキラキラオーラが出ていた。
「ど・・どうも。プリンセス ブライト。」
苦笑いで差し出された手に握手する。
背中に、ゾッとする殺気を感じた。
恐る恐る振り向くと、シェイドがすごい目をしながらブライトを睨み付けていた。
ブライトがシェイドに気がついたらしい。
ブライトも、シェイドのことを睨み付けていた。二人の間に火花が散って見えた。
月の国と宝石の国って険悪の中だったけ・・・
頭の中でふしぎ星の関係を思い出す。
「なぁ、レイン。月の国と宝石の国って険悪の中だったけ....?」
「ま・・まさか・・プリンセスブライトって・・・」
レインの顔が真っ青になりながら、ブライトを見つめていた。
もしかして、場の空気を読めて俺だけ・・・?
シェイドとブライトは、怪しい火花が散っていて・・・
レインは顔が真っ青で・・・・
ああーー!!頭が痛くなってきた。
俺は、シェイドが抱いていた猫をなでながら
3人の様子を眺めていた。
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